部下を操れるテクニック「アクノレッジメント」とは? 「コーチングのプロが教える「ほめる」技術(鈴木 義幸著:日本実業出版社)」書評
部下、生徒、あるいは友達や恋人でもいい。
「自分の指示したことを行ってくれない」
そんな経験はないだろうか。
本書では、相手を操る「アクノレッジメント」について、またその手法についてを教えてくれる。
タイトルでは、「ほめる技術」となっているが、実際の内容は「アクノレッジメント」の内容だ。
著者はこの「アクノレッジメント」という言葉はあまり知られていないため、分かりやすく「ほめる技術」としたそうだ。
本書の説明
▼Amazon[商品の説明]より引用
●あのロングセラーがコンパクトになって登場!
コーチングの基本図書として2002年の刊行以来、読み継がれてきたロングセラーが新書版に装いを変えて登場。
常に携帯しながら、部下指導などさまざまなビジネスシーンで、どうコミュニケーションをとればいいか迷ったとき、
ヒントを得ることができる。
●「ほめる」のにも技術がいる
人はほめて使え、とはよくいわれることだが、相手のタイプによってほめ方を使い分けないと、逆効果になることもある。
たとえば、行動的、野心的で人に指図されるのを嫌う「コントローラータイプ」はその人自身でなくチームの仕事ぶりを
ほめるのが効果的。
●「アクノレッジメント」をすぐに実践できる
コーチングの基本概念である「アクノレッジメント」は「ほめる」だけでなく、相手を「認める」こと全般を指す。
相手を認め、ほめて、存在承認を与え、そして動かすコーチングの手法を具体的な例をまじえながらやさしく解説する。
本書の内容
昔と今はやはり違う
昔は、上の立場の人間から指示されれば、下の人間は何も言わず従った。
それと比べ、今はどうだろうか。
現在は転職など、辞めたくなったら辞めることができる。
そんな時代なことから、現在は上の人間から指示をされても動かない人間が多いのである。
そう、昔のやり方では人は動かすことが出来ない。
今に合った形で、相手を動かしていこう。
今の人間は自分で選択し、行動する方が現実的になりやすい
今の人間は、他人から「こうしろ」と言われるよりも、自分で「こうしよう」と決断したほうがその成果が現実的となりやすい。
勉強面でも、アクティブラーニング(自分から積極的に勉強すること)が効率的である。
どうやら現代の人間は何においても、自分から選択して行動する方が成功しやすいのだろう。
アクノレッジメントとは
さて、先ほど「今に合った形」とは言ったものの、「それはどんな形だ?」と頭の上にはてなマークが浮かぶことだろう。
本書では、このご時世「アクノレッジメント」により、人を動かすことが出来ると書かれている。
この「アクノレッジメント」は、簡単に言えば相手の存在を承認してあげること。
つまり、相手の承認欲求を満たすことだ。
先ほども記述したが、本書のタイトルは「褒める」となっているが、本書の中身はアクノレッジメントの手法について書かれている。
アクノレッジメントの手法
本書では、たくさんのアクノレッジメントの手法について書かれている。
褒め方、謝り方、任せ方、影響を言葉にする方法、相手の変化を言葉にする方法、4つのタイプ別に聞くアクノレッジメントの手法など...
その中でも私が一番ためになったことが、次に紹介する褒め方のアクノレッジメントだ。
褒め方にもY、Iのスタンスがある
褒め方には、Yのスタンス、Iのスタンスの2つが存在する。
Yのスタンス = 君は毎日コツコツ頑張っていてすごいね
Iのスタンス = 君のおかげでうちの会社は売上が上がり助かっているよ、君は天才だ
この2つの褒め方の違いはお分かりだろうか?
そう、YのスタンスはYou(相手)のみを指す褒め方であり、IのスタンスはI(自分)への影響も含めた褒め方なのである。
1番重要だと思ったこと
昔は、やれと言われればやった時代。
今は、やれと言われてもやらない時代。
だからこそ、この本書で紹介されている「アクノレッジメント」を行うべきだ。
これが、本書で一番重要なことではないだろうか。
本書を読むことで得られるもの
- 相手を行動させる技術
- 人間関係が上手くいく方法